「やらなきゃいけないのは、わかってる」
「なのに、体が動かない」
「私って、こんなに怠け者だったっけ」
夜、ベッドのなかでこんな声だけが聞こえてくる日は、ありませんか。
私にも、その声としか会話していない時期がありました。
やる気が出ない自分を「気合が足りないんだ」と思って、もっと頑張ろうとして、また動けなくなって。その繰り返しでした。
でも、あるとき気づいたんです。
動けないときに起きていることには、いくつかの層がある。
そして私は、いちばん上の層だけを、ずっと叩いていた。
動けない車を、どうやって直すか
車が動かなくなったとき、原因はいくつか考えられますよね。
エンジンが壊れている。ブレーキが利きっぱなしになっている。あるいは──ガソリンが入っていない。
このとき、ガソリンが空っぽの車に向かって「もっと本気を出せ」と言っても、1ミリも動きません。当たり前です。必要なのは根性ではなく、給油です。
でも私たちは、自分に対しては平気でこれをやってしまいます。
ガソリンを見ないまま、「気合が足りない」と叱り続けてしまう。
心が動かないときも、同じ構造をしています。
私が整理してたどり着いたのは、3つの層でした。
第1層:材料が足りていない(体の層)
いちばん下の層、つまり土台です。
長いあいだ続いていた無気力の理由を、私は心理の側からずっと探していました。インナーチャイルドかな、思い込みかな、と。
でも私の場合は、心理の側だけを探していたときより、食事と睡眠を見直してからのほうが、心のワークが届きやすくなった感覚がありました。何が関係していたのかを自分で断定することはできません。それでも「心だけの問題にしなくていい」と思えたことが、私にとっては大きな転換でした。
ここから先は、私の体験の話ではなく、栄養についての一般的な説明です。
鉄は、血に酸素を運ぶだけの成分ではなく、気持ちを支えるセロトニンやドーパミンをつくるときにも材料として必要だと言われています。足りない状態が続くと、脳の働きに影響することがあるとも言われています。
しかもやっかいなのは、健康診断で「貧血なし」と言われても足りていないことがある、という点です。貯金にあたる「フェリチン」という数値は、ふつうの検査項目に入っていないことが多いからです。気になる方は、必ず医師にご相談くださいね。
タンパク質も、体をつくる材料のひとつです。材料が足りなくなると、体は省エネモードに入ると言われています。
そして、落ちていく順番には、なんとなく傾向があるように感じます。私の場合はこうでした。
やる気 → 決断する力 → 集中力 → 家事 → 人への気づかい
……この順に、できることが減っていきました。
「このまま省エネの人生を送るのかと思っていたけれど、そう決まっているわけではないのかもしれない」。そう思えたことが、当時の私にはいちばん大きかったです。
気合では、材料は増えません。増えるとしたら、食べるものと、休むことと、安心できる時間のほうからです。
エンジンもブレーキも正常。警告ランプもついていない。ただガソリンだけが少ない車。それが、当時の私でした。
第2層:神経が「安全じゃない」と判断している(脳の層)
材料はある。でも動けない。そういうときは、次の層です。
私たちの神経には、危険を感じると自動的に動きを止める仕組みがあります。
強い緊張が長く続いたあと、人は怒ることも逃げることもできなくなって、動けなくなることがあります。これは「怠け」ではなく、身を守るための反応です。
期待するのをやめる。本気で傷つくのを避ける。感情を凍らせておく。
そうやって、自分を守っている状態です。
だからこの層にいるときに「戦略」や「計画」の話をしても、まったく届きません。
必要なのは、まず安全だと感じられることのほうなんです。
この「安全な感じ」をどうつくるかは、第5章の最後で、深く潜る前の準備として詳しくお話しします。
第3層:心の自動運転が戻そうとしている(思考の層)
ここでようやく、いわゆる「思い込み」や「潜在意識」の層に来ます。
人には、いつもの状態に戻ろうとする力があります。体温を一定に保つのと同じように、心も「慣れた場所」に戻そうとするんです。
だから、新しいことを始めようとした瞬間に、なぜか急にやる気がなくなる。理由をつけて先延ばししてしまう。
これは失敗ではなく、心の自動運転が働いているサインです。
大事なのは、順番です
ここがいちばんお伝えしたいところです。
多くの人(昔の私を含めて)は、いちばん上の第3層からいじろうとします。
でも、第1層が空っぽのままで思い込みを書き換えようとしても、そもそもワークをやる力が残っていません。
だから、下から見ていく。
体 → 神経 → 思考。
この順番にしただけで、私はずいぶんラクになりました。
今日からできる、小さなワーク3つ
ワーク1:まず「食べた?」と自分に聞く
動けない日に、自分を責める前に3つだけ確認してみてください。
- 今日、タンパク質を食べましたか(卵・肉・魚・豆腐など)
- 昨日、何時間眠りましたか
- 生理周期の、どのあたりですか
ひとつでも欠けていたら、今日は原因を探す日ではなく、戻す日にしてしまいましょう。
なお、毎月、生活に支障が出るほどつらいときは、婦人科で相談できます。がまんが前提の話ではありません。
ワーク2:1日を「判断しない日」にする
私が自分に課しているルールがあります。
生理前に、人生を判断しない。
やめる決断をしない。自己評価をしない。
気分が落ちているときの自分の評価は、事実ではなく、そのときの体の状態が言わせていることがあります。判断は、エネルギーが戻ってからで間に合います。
ワーク3:どの層で止まっているのか、3つの質問で見分ける
責める前に、場所を特定します。紙に書かなくても、頭のなかで順番に聞くだけで大丈夫です。
- 「食べて、寝た。それでも動けない?」
→ いいえ(食べていない・寝ていない)なら、第1層です。今日は戻す日にしてください。
- 「やろうと思った瞬間、体がこわばる・お腹が重くなる?」
→ はい、なら第2層です。計画を立て直すより、安心が先です。
- 「体は動くのに、始める直前に別のことを始めてしまう?」
→ はい、なら第3層です。ここではじめて、思い込みの話が効いてきます。
大事なのは、当たっているかどうかより、「どこを見ればいいか」が1つに決まることです。人は、原因の場所がわからないときにいちばん自分を責めます。
第2層かもしれない、と思った日は、その場でできることをひとつだけ。息を吐くほうを、少し長くしてみてください。今日はそれで十分です。
よくある質問
Q. 病院に行ったほうがいいですか?
気になる症状が続くときは、ぜひ受診してください。この記事はセルフケアの話であって、診断の代わりにはなりません。気になることは、遠慮せず主治医に相談してみてください。
Q. サプリを飲めばいいということですか?
そうとは限りません。何が足りないかは人によってまったく違います。まずは食事と睡眠から見ていくのが安全です。
Q. 心の問題じゃないということですか?
いいえ、心の層もちゃんとあります。お伝えしたいのは「心だけの問題にしなくていい」ということです。順番として、体を先に見ると、心のワークがずっと届きやすくなります。
まとめ:あなたは、怠けていない
動けない日のあなたは、壊れていません。
材料が足りていないか、神経が守りに入っているか、心の自動運転が働いているか。
そのどれかであることが、とても多いんです。
それは「弱さ」ではなく、体からのサインかもしれない。
私はこの見方に変えてから、自分を責める時間がぐっと減りました。
あなたの今日が、すこしだけ軽くなりますように🌸
▶ あわせて読みたい:ネガティブ思考をやめようとするほど、苦しくなる理由
▶ あわせて読みたい:頑張っても同じところに戻る理由|「見えない天井」コンフォートゾーンの正体
※この記事は自己理解とセルフケアのための情報で、医学的な診断や治療ではありません。つらい状態が続くときや、気になる症状があるときは、医療機関にご相談ください。
自分の「止まりやすい場所」を知りたい方へ
15問・約1分半の無料診断で、あなたの心のクセをやさしく見つめてみませんか。
🌸 無料インナーチャイルド診断(あなたの”心の形”をチェック)(登録不要)
ひとりで向き合うのが難しいと感じたら
3つの層のうち、自分がどこで止まりやすいかは、自分ではなかなか見えません。体験会では、あなたが動けなくなるときのパターンを一緒に見ていきます。どんな会なのか、まず見てみるだけでも大丈夫です。
👉 無料体験会のご案内を見る(少人数・カメラON推奨・参加無料)
強引な勧誘はいたしません。ご希望の方にのみ、続きのご案内をしています。/体験会は無料・Zoom開催(第1〜3木曜 20:00〜21:00)


コメント